ドキュメントの進化について改めて考える

ずいぶん昔に戻ってみる。

世の中、テキストファイルの時代まで戻る。つまりUNIXのファイルシステムであり、そのファイル属性が.txt であった時代だ。ファイルフォーマットが.txtというのがもっと正しい。

その時代から、ドキュメントの進化は、二つの方向があったように思う。

ファイルフォーマットが単純な.txtから、どんどんリッチになっていった。

例えばRTFフォーマットがあり、Microsoftの.docや.xlsや.pptなどへ広がる。

ハイパーテキストの進化も、その範疇といえる。それらは総合されて、ある意味ハイパードキュメントとなっていく。それらは一つのドキュメントがそれだけではなく、個人の管理範疇に加えて、世界の関連情報とリンクされていく。大きくはハイパードキュメントの範疇であり、ネットワーク関係付された情報がどんどんリッチになっていく。

一方で、もう一つの方向はOSの進化ともいえるわけだが、ファイル属性が、アクセス制御(Read only, Read/Write、グループアクセス)が主だった時代から、世代管理(バージョン管理、構成管理)が入り、徐々にOSファイル管理属性から、ドキュメント属性ともいえる形に広がっていく。バージョン管理をしだすと、誰が変更したのか、やそれは何の目的でどこまで行われたかなどが関係してくる。ドキュメント属性の例として、ドキュメントが承認された状態か? であったり、レビューされた状態か? などが入ってくる。このドキュメント属性管理の方法としてファイル属性はOSで管理され、一部のドキュメント属性は.docに対して.docattrというファイルをセットにしてみたり、それらはOS管理であれば隠れて見えなかったり、とOSとしての属性のニーズと、ドキュメント文書としてのノーズが完全に一致せず、ある属性はOS管理に、ある属性は文書管理システムに依存する、などわかりにくくなった。それは現在もますます混乱に拍車がかかっているといえる。そろそろ統一的な管理が必要だ。ところがドキュメント属性はいったいどこまで必要か?は発展途上だ。デファクト標準が存在しない。ややこしい例として、ドキュメントが仕様書の例をしめす。

まだ作成途中のドキュメントは、アクセスされてはいけない、承認はされたか? が属性だが、最近は もっと詳細な段階が必要になっている、例えばデザインレビューはどこまで進んでいるのか? 顧客の承認は得られた段階なのか、社内の承認だけか、であったり、顧客の指摘がどのようにレビューされフィードバックされたか、なども情報として管理が必要だ。これらは最近は構成管理という範疇で議論されたりするが、これもソースコード構成管理と比べて上流文書の構成管理は、また管理事項が多い独特の世界になる。議論されている場所が限られる。

上流では、システムズエンジニアリングという領域がある、ここで発展標準化してほしい。しかしここも発展途上だ。

ゴール指向というカルチャーが注目されている。これを文書管理に当てはめてみると、文書は、その最終ゴールに向かって、どの状況段階にあるか?という表現で属性を見直し管理できそうだ。

また属性という、整理されたある意味フラグをデファクトとして設定できないなら、SNSやメール、掲示板で議論され収束していく状況があるいみ文書属性の状況を表現しているとして、そちらとセットで管理する状況が現れている。例えばgithubもある意味そうといえる。これはGITHUBを使っていないと感じられない。

これら二つの流れ、ゴール指向とSNSでの文書属性管理は時代の流れと見える。取り組みは重要だ。

最終ゴールは、デファクト化した属性管理あるいはもっとハイパーな概念になって落ち着くかもしれないが、現在の段階では、時代の要求といえそうだ。

2018年2月27日 鈴村延保

 

 

 

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